漫画のセリフで苦労するのが登録商標。

「湿潤液」と聞いて「マウスウォッシュする液」を思い浮かべる人は

あまりいないのではないだろうか?

「宅急便」は「宅配便」で言い換えられるが

商品名そのものが一般名称化しているものは、表現に非常に苦労する。

例えば「LINE」とか「Instagram」とか「Twitter」とか。

普通にSNSで済ますにもアプリの形態が全く違うから

「無料通信アプリ」とか「写真共有サイト」とか「ミニブログ」とかに言い換えるが

「わぁーこのスイーツ、写真共有サイト映えしそう♡」と妙に説明台詞臭くなるので

頭が痛い。

また医療の世界はこの登録商標が多数存在し薬品などは、医療者の間では

ほぼ商品名で呼ばれている為本当に苦労する。

ロキソニンとかボルタレンとかは「(消炎)鎮痛剤」としてもいいと思うが、

具体的に薬の選択をする時などは「ロキソプロフェン」なのか「
ジクロフェナク」と

カタカナのややこしい名前になるので面倒である。


感染症の抗菌剤がまたややこしい。


クラリスロマイシン」「セフジトレンピボキシル」とか商品名で言わなければ

絶対舌をかむ奴である。


「外用消毒剤」とか一括りにしてしまうとエタノールとかもあるので

「ポビドンヨード液」と品名で表示するものの一般的な感じがしない。

「イソジン」と言えば「あーあれね」とすぐ納得してもらえる。



昔の作品はおおらかで登録商標とか割と平気だった気がする。

作品が狂気じみていたり下品すぎてたりすれば商品の価値を下げかねないし、

後で訴えられても面倒だから編集者がまずうるさく言うが、

一度「宅配便」と書いたセリフを編集者に「宅急便」と直された時はぶっとんだ。

校了は3人の編集者が見るが、まんまと雑誌で発売されてしまったのだ。

しかし、これに苦情の電話がなかったというので案外平気なのかもな、と

何気に思ってるのは内緒である。

もちろん単行本ではきちんと直されているので心配無用である。

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