こやすのうつぼの思う壺

今日一日の自己満足を綴るブログ

カテゴリ: マンガのこと

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世間が脚本の改変で焦げ付いているので

ドラマ念仏の裏話をして編集さんと盛り上がった。

世の作家さんはみな同じことで不満があったんやなって

今回の事で初めて知った。

でもテレビの恩恵を受けているのも確かな訳で対処法としては

同じタイトルの全く別の作品と思うのが一番いい。


病室で念仏を唱えないでください DVD-BOX
中谷美紀
TCエンタテインメント
2020-07-15




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着物・袴は正座や立膝をすると袂や裾がどういう形状になるのか

下絵の時にとても悩むときがある。

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この2冊めちゃくちゃ便利。

時代物は髪型も形状が難解。

現代に流行り廃りがあるように江戸時代も特に女性は

初期と後期で髪型が全く違う。

帯の結び方とか普段着物を着ない人間には複雑すぎる。

ストーリー以外でも調べることがいろいろあって大変だよ、時代漫画。


瞬間連写アクションポーズ02 殺陣・ソードアクション篇
ユーデンフレームワークス
グラフィック社
2011-05-06




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地元には打ち合わせにふさわしいカフェもファミレスもないので

都会に出た。

単行本の話は嬉しい。

打ち合わせ後たくさん用事を済ませてミスドにGO。

今までミスドが近くにあったけど、引っ越し後は都会に出ないと

ミスドが食べられない。やっと買えてハッピー。

でも年末ジャンボ買うの忘れた。

明日は病院に行く。

年末はどうやったって忙しいな。








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ちば先生ありがとうございます😂

Nさんありがとーーー!!!

めちゃくちゃ嬉しくてずっとニヤニヤしてる。

我が家の家宝や。












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病室で念仏~はあまり笑顔を描く事がなかったので新鮮。

医療物はマスクや手術着に顔がほぼ隠れる為、目しか感情を表せない。

もちろん効果線や吹き出しの形で表現できるけど

明るい感じは口角上がっているとすぐに出る。

この作品を描こうと用意してきたのは念仏の単行本5集の時から。

その間、担当編集さんは4人変わった。

1話目のネームはもう2、3年ぐらい前の物だし、二話目も1年ぐらい前の物になる。

佐原の取材もこのブログにしれっと載せている。


日付を見ると2017年の夏だよ。

そんな訳で時間の開き過ぎた3話のネームに大変苦労している。

おかげで普通に眠れない。

以前ならネームは常に頭の中にあって、つまづくところは

お風呂入ってる時や就寝前にポッとアイデアが浮かんできたりするのだが

今はそれをやると眠れなくなる。

眠れないせいで生活が乱れに乱れている。

とっても苦しい。

念仏の松本以上にキャラが動かない。

というのも伊能忠敬という人はあまりにも普通の人過ぎて

かなりキャラを作らないとならない。

大河にならないのもきっとその辺に魅力を感じないからだと感じてる。

しかも無能な人は嫌いで自分の子供を次々勘当し

人の悪口を平気で言う人だからそこだけフィーチャーしたら

ただの嫌味なおっさんになってしまう。

そんなおっさんは私も描きたくない。

早くキャラを自分の中で動かせられるようにしたい。

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ブログが久々の更新になってしまった。

こんなに開けたことはいまだかつてなかったな。

じつは今の住まいは仮住まい、

これから再び引っ越しとなるのでその準備や打ち合わせに追われていた。

それと体がポンコツなのでいろいろ病院でメンテナンスが必要だった。

とはいえ改善されるわけではないのでうまく痛みや不具合と

付き合っていくしかない。

全く、寄る年波には勝てない。


こんなに遅くなるとは思わなかったが、今年は新連載が始まる。

この人物を自信をもって描けるか不安しかないが

始まるからには頑張ろう。

応援よろしくお願いいたします。

予告カット3
今年もよろしくお願いいたします。




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編集さんからお祝いのお菓子貰った😃

こやすがそろそろ始動するぞ!

でも、もう少し時間が掛かるから待っていて欲しい!


打ち合わせ中、嵐のような土砂降りだったな。

みんな心配そうに窓の外見てた。

場所によってはヒョウが降ったらしい。

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今日も猫型ロボットが活躍していた。

何だか名前がついていた。

料理を持ってくるのがロボットって知らなかったお客さんがずっとロボット無視してて

ロボット困惑してた。店員さんがすぐ来たけど

お年寄りにはいちいち説明しないとわかりずらいかもね。



しばらく時間ができるからテレカの捜索、もう少ししたら再開する。

心機一転、頑張るぞー!!!!!


藤子不二雄A先生が亡くなった。

A先生とは小学館の新人賞で受賞した際、初めてお会いして握手していただいた。

あの当時は出版社も授賞式には相当お金をかけていて

場所は覚えていないが、少年・少女誌、児童漫画、青年誌で受賞した作家が

一堂に集まり賞状と盾の授与があった。

その時、A先生はご自分の映画の話をされていてその主題歌である、

彼の名曲、井上陽水の『少年時代』が誕生したエピソードを話されていた。

授与式や写真撮影が終わると別の会場に移るのだがその時、

人がほぼいなくなった会場で目の前からA先生が歩いてらして

自分にとっては雲の上の人だが

しれっと握手して下さいと言うとA先生は笑顔で握手をしてくれた。

改めてご冥福をお祈りしたい。


ああ、いろいろ思い出してきたぞ。

あの授賞式、担当編集のせいで遅刻したんだっけ。

新人と言っても既にデビューもしていたし何本か読み切りを描いていた。

『キャリアはあるけどまだ新人』というあの名キャッチコピーをつけた

その担当も去年の夏、定年を迎えた。

それにしてもあれだけの規模の授賞式はもうないだろうなぁ。


 





新担当さんとの二度目の打ち合わせ。

いろいろなアイデアや切り口をもらえた。

これよ!これ!欲しかったのは!!

新しいものを立ち上げようとしている時にネガティブな言葉の連続だと

徐々にやる気を失う。

しかもいろいろ勉強してきてくれるし話も聞いてくれるし本当に有難い。

新担当さんと力を合わせて新作頑張ろう!

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この写真を撮ってる時、スマホにもトンボが止まるという奇跡が起きたのに

その写真を撮る術がなかったという・・・

HP
あとホームページの更新を少しした。

PC変えてから初めてPhotoshopを使ったらデフォルトのブラシが消えていて

何で!となった。

今使っているソフトも結構古いしそろそろ新しいパッケージ版買うかとamazon見てたら

Photoshopって今サブスクになってるじゃん!

確かに使う時はすごく使うけど、使わない時は全く使わないから

月額で買った方が便利かもしれないけど、なんかもったいない・・・

新しい機能とか必要なくて今のでも十分使えるし

どうしようと思い、再びソフトを立ち上げたら、PCにインストールしたのが

1つ前のバージョンだったことに気付く・・・ばか。

急いでソフトを探してインストール。

あったあった。このブラシよ。さぁ色、塗ろう。と思ったら

スキャナー入力するTWAINが入ってなくて、

あ、そうだ!これこのままじゃ使えんかったわ!

と、なりPhotoshopのHPでダウンロード探したら、

とっくの昔にサポート終わってた・・・

結局プリンターのスキャナーアプリから取り込んで使ったけど、一旦別のところに

ファイルしないとならず面倒臭い。

そのまま紙を使わずペンタブで描けばいいのだが、それだと

ものごっつう時間がかかる。

時代の流れについていけんよ、我・・・



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久しぶりにネーム以外の絵を描いた。

お金払っているのに放置状態のHP用に色入れようか。


新担当さんが私が描きたい新作のモチーフを勉強したいから

少し時間を下さいという事でネーム作業が一時休止。

思いがけず時間が出来たので

掃除をしたり庭作業したりしようかなと思いつつ、机を前にする日々。

頭の中で新作の人物は前担当に言われたキャラではなく、

やっぱり以前から考えていたキャラの方がいいと強く思うようになった。

それで失敗しても自己責任になるが、前担当の言うとおりに描いて失敗したら

目も当てられない。一生恨む。

そろそろ自分の描きたいものを描いていきたいけど、

この歳になってもやっぱりできないのか。

でかいヒットや人気がないとつくづく厳しい世界だ。

そうやって皆消えてゆく。

ネットじゃ自身の体験や日常を描いて共感持たれる作品は多いけど

作品を購入してまで先が読みたいとなるのは本当に数少ない。

世の中の人にとって漫画は暇潰しなのだ。

だが、暇潰しであっても素通りされることがある。

誰にも経験があるだろう。

美容室で雑誌を読む時、料理の記事は食い入るように読むのに

ファッションやメイク記事はパラパラめくって素通り・・・

この素通りだけは避けたい。

私は漫画をよく読む人間ではないのでとても偏見ではあるのだが、

面白いと評判であっても絵がどうしても

受け付けない漫画がある。漫画は絵じゃないと自分で口にしつつも

好みの絵で読んでしまうところが多々ある。

更に購入となると滅多に漫画は買わない。

だから漫画を買わない人の気持ちもよくわかる。

もう、こうなると続きが気になるより以前の問題だよ。

そう考えると作品自体知らない人にも認知されるTVドラマの影響はかなり大きい。

いろいろあったがテレビ局には感謝しかない。

なんだか脈略ないし愚痴になってしまった。

とにかく前を向いて進もうか。













今までの担当編集者が他誌に異動となり、今日新しい担当さんに会ってきた。

引継ぎは新作のネームの話がほとんどだったので、途中参戦の新担当さんに

こちらの意図があまり伝えられず、雑談も出来ずバタバタだった。

この作品、「立ち上げようと思う」という話をしてから編集者が3人

変わってる・・・その都度説明しなくてはならないが、

3人目の編集さんだけが感触が悪かった。

だから作品をこの人の元で立ち上げても面白いものにならなそうだなと

いうイメージがあった。だって話のつくり方にワクワク感がない。

打ち合わせはいつも平行線でしっくり来ずケンカ腰で話す感じ。

実際ケンカはしていないが、突飛もないことを急に言い出すので

私の絵をわかってないなって思う。まあ、いうて担当の期間も短いし

途中で携わった作家の作品に愛情なんて持てんのだろうが。

担当編集で作品は変わるって事、声を大にして言いたい。


今度の編集さんは、作品のモチーフとしているものにいくらかの知識があり

結構コアな話もご存じだった(担当になるからと勉強して下さったのかもしれないが)

こちらからしたらこういう話があって面白い、というのが伝えやすい。

話もよく聞いてくれるし、抽象的ではなくイメージしやすい表現もしてくれる。

私にはここをこうしたら面白くなるよ、と言ってくれる編集さんが合う気がする。

心機一転、新担当さんと面白い作品を描いていこうと思う。

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今年は早めにインフルの予防接種に行った。

口腔内のびらんのような症状はなく、患部の痒みはあったが大きく腫れなかった。

注射の帰り、ご褒美にミスドに寄ってドーナッツ買って帰ったのだが、

↑これおいしかったな。



[図解]ウマが合う人、合わない人
樺 旦純
PHP研究所
2013-07-12








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ネームがなかなかうまくいかず気晴らしの散歩。

自分が、こうと納得して進めていたものが、覆されると新しいページを作るために

途端に頭が葛藤し始める。

昨日今日始めた作業ではない。3,4年前からだ。

まだハイハイも出来ない生まれたての赤子のようなキャラを必死に育てている所を

その子は一旦、人に預けて違う子をまた1から育てて下さいねと、

新たな子供を育てるように1,2週間でその人物になりきり

言動や行動が伴うように描けなんてそんな万能な脳みそを備えていない。

キャラは徐々に育っていくものなんだから大目に見てほしい。

それにものすごく調べることが多い・・・

ただでさえ、もどかしいほど頭が働かないのに。

勢いだけで描ける若さはもうない。

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本日の戦利品。

先日の台風で若いうちに落ちちゃったみたい。





もう何十回同じことやってんだ?

たぶん念仏の5集を描いてる時からだ。

描き始めると、違う・・・これじゃないとなる。

何が原因なのか?

そんな事は、明々白々。

お前にはセンスがない。それだけだ。

昔のような柔軟性は無く、日々硬くなっている脳みそ・・・

何とかならんか・・・



最近、セブンの豆腐バーにはまっている。

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柚子胡椒味が美味しかったので、まとめ買い。

和風味はお試しで買ってみた。

三時のおやつにちょうどいいし、サラダに入れたりしている。

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お刺身はスズキ。

金沢で食べたスズキと違って少し臭みがあって美味しくなかった。

カルパッチョかムニエルにするか・・・

スズキなんて何処ででも食べられるだろとか、言うなかれ。

私の場合、最高だった旅はご当地の食事の美味しさと等価する。

だからもう一度行きたい所は食事が美味しかったところと決まっている。

ビールは叔母がケースで送ってきたご当地ビール。

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夕方急いで冷やしたのであまり冷えていなかったが、悪くない。

折角、リングフィットアドベンチャーで1.8キロ体重を減らしたというのに

2本飲んでしまった・・・

停滞期のようで2週間やっても体重変化がないので、少し飽きてる。

それとリングフィットアドベンチャーの良くない所も見えてきた。

けど効果はあると思う。少なからず、-1.8という数字が出たし

運動するとラッピングされたような脳がすっきりするし、

悩まされている耳鳴りもあまり気にならなくなった。

耳鳴りにローヤルゼリーが効果あるとか言った奴出てこい。

あれこそプラシーボ効果やろ。

それにしてもローヤルゼリー飲むと焦げ臭い感覚になるのは自分だけなんかな。



今まで難なく出来ていた事が出来なくなっても平気でいられる・・・

それが年齢を受け入れることだとしたら、もう少し抗いたいと

思う一方、もうこれ以上生きたくないと思う自分がいる。

若いころには考えもしなかった事だな、これ。やれやれ。

こんな調子で矛盾しながら生きてゆくしかない。

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登場人物を考えてる時が一番楽しい。

学習漫画のネームを描く気にならず、とりあえず

新作の準備をすることにした。

気持ちの入り方が違う。他の事に逃げたいと思わない。

不思議だ。



つい最近面白い動画を見つけた。

マチェーテかスキのような道具1本で木や竹を植物のツルで組み

建物だったりプールだったりを図面もなくせっせと作っていくのだが

とにかく原始的でまさにリアルマインクラフトなのだ。

これを観ると道具はなくとも手がいかに重要かよくわかる。

「病室で念仏~」描いていた時もオペシーンでは

止血や膜を割くというか開いたりは道具は使わず手でやる。

手に勝る道具はないとものすごく思う。

また図面もなく思い付きで作るってのが面白い。

世界中にある古代の遺跡は何らかの根拠があって作られたものが

ほとんどかと思うが、なかには特に考えもなくこんなものがあったらいいなという

思い付きで作られたものもあるんじゃないだろうか。

それを現代人が一生懸命研究しているのかと思うとちょっとおかしい。

ちょっと長めの動画なのだが、ぜひ見て欲しい。










Minecraft (マインクラフト) - Switch
マイクロソフト
2018-06-21





ここに来て一章のネームまんま直しって勘弁してくれよッ。

そりゃ私の提案した話の方が面白いだろ、だが

シナリオ丸々変えていいなら2カ月無駄にする前にもっと早く言ってッ!!

そもそもシナリオの意味ないっ!!

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こんなモンで騙されんぞ!!

ハヤクシンサクカキタイ!ハヤクシンサクカキタイ!ハヤクシンサクカキタイ!

この仕事、もう少し考えて受けるべきやった・・・







実際に存在した人物や出来事を描くとき

小説や漫画では史実と異なる創作したストーリーが盛り込まれることがあるが

学習図鑑には、人物であればその人の生来の性質をなるべく史実や

日記から読み取り忠実に描こうとする。

シナリオも作画も目標は同じなのだが、なぜかシナリオは出来事には忠実なのに

キャラクターがこれじゃない感がままある。

主人公が例えば勝気な性格であれば、ボスキャラが目の前に現れ

「そこをどけ」と言われた後すごすご道を開けたりしないだろう。

私なら胡坐かいて「どかっ」と目の前に座るぐらいのキャラにする。

それが噛み合わないとセリフまでおかしくなるし

史実と違う人物にしか見えなくなってくる。

もっとこうすれば面白くなるのにっていう事がよくあるし、

自分ならこの部分よりこっちの部分が知りたいってなる。

折角シナリオがあるんだから素直に描きたいが、こうじゃないんだよなと思うと

とたんに描きたくなくなってしまう。自分が面白い方がペンは進む。

しかしあまり変えすぎてもシナリオ描いた人に悪いって思いがあり

全くネームが進まない。



余談だが、まあ、今だから言うが相棒のコミカライズは

1巻が初版はテレビ局が「原案」となっているが、

それ以降は「原作」となっている。

テレビ局側からの話では、杉下右京と割烹屋の女将のたまきが元夫婦であるが

着かず離れずしていて、薫と美和子は普通の同棲カップルで

そこはドラマ通り頼むよ、と言う約束で出版社からは漫画のストーリーは

ある程度いじって良しと言う話だった。

テレビの矛盾点は今のところおかしくないか?と疑問に思っても

多くの人はVTRに録って検証したりしないが、

漫画だと簡単に読み返しが出来てしまう。

そういう部分が矛盾しないように漫画では描く必要があったし

ドラマは連続した視覚からエピソードなり情報を流せば簡単に説明ができるが

漫画はそうはなかなかいかなかったりする。

セリフで説明する必要があったりする。

それで「原案」だったと思うのだが、

ある日脚本家サイドからあまりにもストーリーが

違い過ぎると「原案」を「原作」にしてくれと言うクレームがあり

2刷からは原作となった。

私から言わせてもらえば、ドラマと漫画が違い過ぎて嫌なら原案と言う説明の方が

よくね?と思うのだが、どうなのそれ。




自分も曲がりなりにも漫画家と名のる以上ストーリーやキャラは

作り、より面白い方に気持ちが傾くわけで今回の仕事で自分はやはり

シナリオのある仕事は性に合わない事がよくわかったよ、って話。

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夢見12月7日まで見れるよ。













昨今、漫画の作画はデジタルが主流になりつつあり

紙原稿は風前の灯火のように感じる。

斯くいう自分もいまだに紙原稿である。

(厳密にいうと色原稿と看板などの写植や回想などの加工はデジタル)

デジタルはベタ(黒く塗る)の塗りつぶしや修正、コマの拡大、コピーペースト、

ワクを引いたりするにはとっても便利で合理的であるけど、

スクリーントーンだけはデジタル処理された部分が印刷されたものを見ると

何だかのっぺりしていて味気なく感じている・・・


アナログで描く漫画はなんだかんだ道具に金がかかりすぎる。

だから初期投資に経費は掛かるが皆デジタルに移行するのはとっても納得できる。

毎回使うペン先も使い終わったら捨てるだけなのにとっても高い。

いつも100本まとめて購入しているが、Gぺんだと1本約64円、

丸ペンだと112円もする。

自分の場合、Gペンは1本の作品に4~6本、丸ペンは4~5本使う。

インクやカッターの刃も原稿を描く度消費される。

その中でもトーンは格段に経費が掛かる。

メーカーにもよるが自分が好んで使っているのは、ICスクリ-ン。

粘着力が程よく、薄さも好み。

1枚定価528円でショップによって430円前後で販売されているが

価格は昔から高かった。

ネットショップがなかった頃はわざわざ交通費を掛けて遠くの画材屋まで

買いに行かないとならなく、希望の番数が売り切れてなかったりすると

日を改めて買いに行かないとならなかった。

そして今よりもずっとパターンは少なく

アミと呼ばれるドットのシールぐらいしかなかった。

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〈分かりづらいがアミのトーン。自分は60~65を使用している〉



だから昔の作家は何でも手描きで点描やかけ網、かけ網の応用のもの

服の柄まで全て手描きだった。

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〈フリーハンドだがこんな感じで自分で描く〉


蛇足だがちょっと昔、子供のなりたいナンバーワン職業が漫画家という時代に

トーンはものすごい勢いで様々なパターンが横行しており、

車や教室、モブやビル群などなど使い勝手が困りそうなものから

花や柄物も多く見掛けるようになると、今まで手描きで効果や柄を描いていた

作家さん方が蛇蝎のようにこれを嫌い、これくらい描けと口にしていた。

昔はトーンを使わない事に美学的なとこがあり、何でも書くことが

当たり前の時代だった。

少年誌や少女誌は最たる例で白っぽかったり黒っぽかったり両極端だった。

トーンはPhotoshopのグレースケールのような存在なのでトーンを貼ることで

モノクロが中和される印象がある。質感がリアルになる。

自分はグラデーションや雲のトーンはとても重宝していて

とても便利と感じている。



話はさておき、トーンは1本の作画に何十枚も使う。

数えたことはないが、1枚1枚袋に入っておりそれが毎回ものすごい量出る。

使い残したものはトーンケースにそのまま保存しているが、

中には袋に戻している人もいる。

理由はシールなので衣服などから出る小さな繊維やトーンの削りカスの付着を

防ぐためだが、これが本当に厄介で、原稿に貼り終えた後にそれに気付くと

目立たぬ大きさなら無視するが色がついていたりすると気になるので

原稿からトーンを丁寧に途中まで剥がしその繊維を取ろうと苦心する。

しかしトーンの削りカスはきれいに取れたためしがなく汚れるので

私の場合最初から貼り直す。

この削りカスがめちゃくちゃ厄介な奴で、とても軽く簡単に空気中を舞うので

根拠はないが鼻炎の原因になっていると自分自身は考えてる。

その対策としてトーンは削ったらすぐさま練りケシで回収する。

また布の裁断のように必ず余るところが出てしまう。

端切れのように細かいところに使っても余ってしまう場合も多く

その際は捨てるしかない。

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〈捨てるトーン〉

ケチってまた使うかもしれないと台紙に貼り付けていても

結局使わない。

人によってはトーンの余りを出さないために台紙とトーンの間に原稿を挟んで

カッターでカットしている人もいるがそんな器用さは自分は持ち合わせていないし

原稿に余計なゴミでもついていればトーンに粘着することは必至で

合理的かもしれないが進んではやらない。

そして一番の困り事は細かいトーンカスがフローリングや

靴下の足の裏部分、スリッパなど気付かぬ内に貼り付いていることがよくある。

これがまたびっちりくっついてなかなか取れない。

腕にくっついている時もあり気付かず外に出てしまうこともある。


使いもしないような効果や柄などのトーンを買ってしまいがちで

大体は使わずトーンケースで何年も眠っている。

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〈こんな柄まで最近はある〉


トーンを駆使する人は重ね張りをする。

質感を出し奥行を出すために使用するが、

アミには線数と言うのがあって線数が合っていないと重ねた時に

モアレ(模様)が出来る。全くもって厄介極まりない。

う~ん。ここまで書いてトーンのイイ所がない・・・


〈結論〉

作家の手間を省くいい素材である。

また人物の周りにトーンを散らすことで感情が増幅され

相乗効果があるが、高価なのでケチって使いがち。

だからデジタルに乗り換える人がほとんど。



自分はペンタブも作画ソフトも持っているけど気後れしている理由は

アナログの方が断然速いから。それと前述のデジタルの

のっぺり感なんよねぇ・・・

















『病室で念仏を唱えないでください』が出来るまで。



いろいろ取材を受けた際に話してきたので今更感があるが、

漫画タイトル然り、とても長い経緯があり描こうと思って

温めてきた作品ではない。

2007年にビッグコミックオリジナル増刊号で描いた「M.D.」という作品が

前身といや前身で「あおば台病院」という病院名はここから取った。

それでもって「M.D.」というのは、どういう作品かと言うとやっぱり救急医の

話で、一旦サラリーマンとして働いていた人間が

おじさん研修医となり癖の強い救命救急センターで働くという話なのだが、

この話、実はさらに遡ること2、3年前に描いたネーム(漫画のラフ画)だった。

当時の副編集長が捨てずに大事にとっておいたようで急に描かないかとという

連絡が当時の担当編集さんからあった。

ちょうどその時私は女性誌の「YOU」でこれまた救急医の連載を

始めたばかりだったが描かせてもらえるならと、まず女性誌に許可を取り

押し入れの奥に眠っていた「M.D.」の古いネームを探し出し

オリジナル増刊に30ページの読み切りを描いた。

しかしこの作品がいろんな方向に功を奏した。

人生、一寸先は何が起こるか本当にわからない。

このオリジナル増刊で自分の描いた「M.D.」と他二作品の中で

続編が読みたい作品はどれかという読者アンケートでトップを頂いたと聞いた。

ただしこのアンケートの結果は、増刊号だしすぐには出てこない。

その間にこの「M.D.」を読んだスペリオール編集長から

「相棒」コミカライズの大きな話が舞い込んだのだった。

「M.D.」続編を考えてくれていた副編には申し訳なかったが

人気ドラマだし原案付きだし、キャラは出来ているし

このビッグウエーブに乗らない手はない。

当時は映画の宣伝の為のもので1巻で終わるはずだったが、

ドラマは徐々に視聴率を伸ばして空前の大ヒットとなり関連商品が売れに売れ

あれよあれよと12巻まで続いた。

しかし、そう言った利権が絡むと映像会社とテレビ局との版権やら

いろんな問題で度々ごたついたのと

売れない雑誌の生き残りをかけた改編であえなく終焉を迎えざるを得なかった。

連載が終わった後のことなど全く考えてなかったし、完全にバーンアウト状態で

進まぬペンにイラつきながら最終回までのらりくらり描くしかなかった。


そんな折、「M.D.」を描かせてくれた副編がビッグコミックの編集長となり

連載が終わるならうちで医療物を描かないかと声を掛けてくれたのである。

ところが、それはそれでとっても複雑な気持ちだった。

この相棒を描いている最中、女性誌のYOUでも「誰にも等しい明日」という

救急医療物をずっと描いていた。

単行本は1巻しか出してもらえなかったが、実際は単行本4巻ぐらいは描いており

自分の中で描き切った感があった。

医療物が好きなのではなく、生かすか死なすかの駆け引きがあり

所見や検査データで病態や異状のある部分を明らかにしてゆくのは単純に面白い。

ただ症例を探したり考えたりするのは大変だし、調べるのにも相当時間が掛かる。

今だからSaO2が何なのか、除脳硬直が何なのか医療者ほどの知識はなくとも

理解できるようになったが、まだ最初の頃は症例読むだけで始まりから終わりまで

検査値やアルファベットでの略語など用語を調べ

ストーリーの中で表現はしなくともこの病態になるとどうして他で合併するのか

敗血症とSIRS 違いは何なのか自分が頭の中で納得、理解するまで

作画は先に進めない状態だった。

何よりも毎回ゲストとなる患者の設定を考えねばならなく、生死がストーリーを

左右するため男にするか女にするか老人か子供か職業は何か家族はどうするか等

自分で取り決めるのだがそれが途方もない労力なのだ。

下描きになってまで悩むことは多々あるし、

ペンが入ってから丸々直すこともよくあった。


そういった経緯があり医療物は苦労するのが目に見えているので

生活しないとならないという現実と、でも出来れば描きたくないという

気持ちの葛藤が大いにあった。


当初、編集長との打ち合わせで話があったのは先述の「M.D.」の続編だった。

ネームを描いた当時は、単におじさんが研修医って面白いと思っていたが

打ち合わせのちょうどその頃、フジテレビでサラリーマンだった人間が

医師になったというダダ被りのドラマを始めようとしており、

ネタはこちらが明らかに先だが真似と思われるのが嫌だよね、となり

その話はなくなった。

次に緩和ケアの医師の原作付きをやろうという話が出たが、これもうやむやの内に

無くなった。相棒の連載もまだ続いており、

忙しい中何度も編集長と打ち合わせたがなかなかこれと言ったアイデアはなく

しまいには、相棒のスピンオフで米沢の事件簿もビッグコミックで

漫画にしたのだがこれの続編をやろうか等の話まで出た。

当然、また権利関係で揉めるのが明らかだったので

この話はすぐ無くなったのだが。

そうこうしているうちに担当が付いて初めて3人で打ち合わせをした日、

まーとにかくいろいろな話をしたのだが、医療物を描くことは確定しており

あとはどの分野にするかとか主人公をどうするかだの

いろいろ話を摺り寄せるのだが

これと言った決定打もなくだらだらと時間は過ぎていった。

その時何かの話の中にたまたま編集長が取材されたお坊さんの話をされた。

何の気なしに聞いていたのだが、待てよ・・・医者が僧侶なら面白くね?となり

お坊さんでお医者さんっているんですかね?と話の腰を折って割って入った。

すると急に僧侶の話で盛り上がり、葬式仏教しか知識のなかった自分は

人の死を弔うための僧侶が命を救う医師なら面白いと直感したのだった。

少し光明が見えてきていろいろ調べていくうち僧医の歴史に辿り着き

理に適っていたことが分かった。

また取材を重ねるとお坊さんで医師はあっちこっちにいて自分の中では

その存在自体は特別なものはなく当たり前なものに思えるようになってきた。

こうした紆余曲折を経て出来た作品だが、案の定やっぱり苦労は多かった。

医療の知識だけではなく仏教の知識も必要となり、

髪を掻きむしりながら描いていたし

主人公・松本照円も全く動かぬキャラで苦労した。

よくモデルはいるのか聞かれるが、モデルはいない。

でも、いたらたぶんもう少し楽だったかもしれないなぁ。

むしろ、濱田や藍田のようなひねくれている性格の方が人物は描きやすい。


しかしもうそう言えるのもラスト1話になった。

本当なら六道の6巻で切りよく終わりたかったが、映像化の話が入りそうも

行かなくなってしまった。

取りあえず頑張るべ。

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結局完徹やん。ちょっと眠くなってきたわ。
























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発売します、というお知らせから、かれこれ何年経過したか

思い出せないがようやく届いた。

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中身はこんな感じ。



今日ドラマでやる5話目の話は、できれば2巻に収録している話をやってから

ドラマに入れて欲しかったというのが本音。

5話のような話は本来受け皿になるのは救急だが、

その空間には人工呼吸器も胸骨圧迫もない。

尊厳を受け入れられた死だからだ。

全く何もわかっていないな・・・

脚本チェックも、オリジナル色が相当出てきたしチェックしたところで

無視されて受け入れられないのでしていない。

6話目に関しては閉口する。

映像化ってこんなもんなんだな。



<追記>

あ、そうそうTwitterも近々止めます。

フォローしてくれた方々、ありがとう。









『ドラマより原作の方が面白い』という感想が散見された。

作家としてはとても嬉しいのだが、ドラマはその原作の看板を

背負っているので複雑な気持ちになる。

とは言え、言いたいことはよくわかる。

原作の世界観を壊さずに実写を盛り上げて欲しいと願っていた。

例えそれが思っていたものでなくとも、いい方向に

期待を裏切れば作家もファンも納得するのに

ちょっとそうじゃないから困惑する。

映像化が具体的になった際、自分はそういった多大な期待があったが、

ことごとく霧の中にいるような状態になった。

きっとファンの方々も似た気持ちに違いない。

まだ始まったばっかりでこんな後ろ向きなことを言っても始まらないが

再三再四、「面白くしていただけるのであれば」と折れてきた。

いじるだけいじって終わりではなくそう来たかと、作家も原作ファンも

唸るくらいのものをぜひ見せて欲しい。













原稿をデジタルにしようかものすごく悩んでいる。

ペンタブや作画用のソフトは持っているし、PCも買い換えたし

コスト的に考えると断然デジタルなのだが、味がなくのっぺりとした質感や

細かい部分を大きくしての処理とか作業時間等考えると

紙原稿から移行することを考えあぐねる。

デジタルにすれば、今まで使用していた

原稿用紙やインク、ペン先やミリペン、修正液、消しゴム、

スクリーントーンなどの経費をかなり抑えられる。

漫画の道具は地味に高いし消耗も激しい。

資料代が高くつくだけにやっぱり抑えられるところは

抑えたいのが本音である。

中でも消しゴムの消費量は半端じゃない。

ネームから始まって原稿を書き終えるまで約3個消費する。

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現在仕事で使う消しゴムはこの3点
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普通の消しゴムと練けしと細かい部分を消す消しゴム。

練けしは作画の際もごくたまに使うが、主に使っているのは

トーンの削りかすを回収する用。

本当に大変なのは、ペン入れが終わり原稿に入った下書きの線を消す時。

真夏は冷房が入っていても汗をかきながらだし

手首に力入れながら消すので手首は痛いし、

消しかすは定規の下や原稿用紙の下に潜んでいたりして邪魔だし

消しゴムかけは本当に大変である。

いまどき学生だってこんなに消しゴムは使わない。

デジタルなら下書きのレイヤーをゴミ箱に捨てるだけで済むというのに

この消しゴムときたら消しカスしか生まない。




ネームの時はB4のコピー用紙を真ん中半分に折って、

見開きページで描いているのだが、1ページ丸々直す時に

真新しい紙に変えるか消しゴムで全部きれいに消すかすごく悩む。

コスト的に考えると消しゴムの方が高いに決まっているが

貧乏性で紙がもったいないと思ってしまったりする。

そんでもってコピー用紙は薄いので消しづらく幾度となく

紙にしわがよる。原稿用紙でそれをやると自分に腹立つ。

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こうして消しゴムの頭が真っ黒になるのが嫌いでいつも余白で

白いところが出るまで消すのでさらに無駄が出る。

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梅雨の乾燥しづらい時期はインクの渇きが遅く

乾いてそうに見えて乾いていないのでうっかり消しゴムをかけたりすると

家中に悲鳴が響き渡る。


消しゴムはやはり角が好きだ。

小さくなるにつれ消しづらくなるのでなるべく水平に消すように使う。

そして小さくなった消しゴムをいつ捨てるのか悩む。

昔、知り合いの作家さんにいつまで使いますかと聞いたことがあるが

人によってまちまちだ。

以前うちに来てくれていたアシスタント君は小さくなった消しゴムを

瓶の中に集めていた。どうするのか聞いたが明確な答えはなかった。

自分の指標は親指と人差し指と中指で持った消しゴムが

中指で持てなくなったらかな。あまり小さいと力も入りづらく

消す面も小さいので消し残しが多く効率が良くない。

そしてよく無くなる。仕方なく新しい消しゴムを使うが

原稿が終わり片づけているとひょっこりと出てくる。


おろし立ての消しゴムで消す時に最初のスイングで大好きな角がボロッと欠けると

髪を掻きむしって悲観する。

梅雨の水分を含んだ原稿用紙のシャーペンの線は消えにくい。

消しゴムでさえも消せないので梅雨は嫌い。


こうして日々、消しゴムと悪戦苦闘を繰り返しながら原稿を描いている。



<結果>
カスにしかならない消しゴムだが、たとえデジタルに移行したとしても

やっぱりネームは紙で起こすよな。

扱いづらいやつだが無くてはならない仕事の道具だ。

それにしてもデジタル化は悩ましい・・・

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拙著の作中には、友人や知り合い、編集者が

たびたび登場人物として登場する。

描くからね、と許可を得ているものもあれば

こっそり描くこともある。

名簿やら大量に名前が欲しいときなどもよく使わせてもらっている。

念仏に出てくるこいつもその一人(?)

紹介します、かーこです。

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かーこは2羽いてどちらの名前もかーこ。ツガイかどうかはわからない。

出会いは約5年前、春はまだ遠く風の冷たい3月だったと記憶する。

川で犬の散歩中出会った。

この辺に住む野鳥のヒドリガモやユリカモメに餌付けしている人がいて

そのおこぼれに鳩やカラスが寄ってきてあまり人を恐れていない。

ある日いつものように川で犬の散歩をしていると

野蒜(ノビル:根がラッキョウのような食用の野草)が

大量に生えていて私はそれをほじくっていた。

その近くにかーこがいた。

草むらで餌を探していたのだが、まだまだ寒い日が続いていて

餌となる虫の収穫もない。

気の毒に思い、ほじくったノビルの近くにいた甲虫類系の幼虫を

コンクリートの上にポイポイ2匹投げてみた。

食べないと思ったらなんと食べたのだ。

それからさらに続けてほじくって虫を探しポイポイ投げた。

食べる食べる、よほどお腹が空いていたのか犬を怖がる様子もなく

7,8匹探して全部食べた。

それからというもの散歩の最中、彼らの食事の時間によく会うようになった。

気候が暖かくなると犬のしっぽの毛を引っ張っていたずらするので

犬たちがかーこ達を怖がるようになりいつしかテリトリーに

近寄らないようになったが、本当にカラスが賢いと思ったのは

人の顔を覚えているということだ。

犬を連れていない時にかーこ達が突然目の前に現れて驚いたことがあった。

さらに他のカラスのいるテリトリーには絶対に入ってこない。

目に見えないラインでも引いてあるかのごとく

2,3メートル先とて絶対に近づかない。

口を開けて羽を逆立てたり、知らないカラスの習性がたくさん見れた。

しかし、そのかーこ達も昨年には姿を現さなくなった。

野生下では10年と言われる寿命で死んでしまったのかどうかは

わからないが、少しさびしい気持ちだ。

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新しい担当編集さんは、

錆びついて怠け癖のついた大脳皮質をかなり刺激する編集さんだ。

まだ中身もあまり知らない内からあれよあれよと始まって

まぁ電話での打ち合わせではあったが「何か懐かしいやり取り」と思いながらも

最近の若い編集さん達の合理的なやり方に慣れていた自分には

(その編集さんも若いのだが)何だか気重に感じてしまった。


しかしその結果、普段ちっとも働かない脳が「こうしたらいいんじゃね?」と

軋みながらも動き出す。


昔ならこんな小さな出来事にもテンションが上がって何時間でも

机に向かえたが、今は思うように体、というより気持ちがなかなか向かない。

もちろん加齢による体の変化もあると思う。


特に医療物は1本描き始めるのにテーマである病態の事、

それに関わる検査や画像、

バイタルサインの数値の変動、必要な処置、手術の有無、

患者の設定、その他の情報諸々・・・全てを描かなくても知らないと

描けない事がたくさんあってその準備に時間が掛かる。

更に念仏は「仏教」と言うテーマもあるからこれまた一筋縄でいかない。

歳をとるとともに原作に逃げた人の気持ちがよく解る。


だが、何だかんだいっても漫画を楽しみにしてくれてる人がいる事は

いちばんの励みだし、この上ない幸せだ。

ガンバロ








若い頃、編集者に

『漫画は見開き単位で見ろ』とよく言われた。

ページをパッと開いた時の絵やコマのバランス。

例えば、単調なコマ割りになっていないか、とか

かと言って斜め線のコマばかりになっていないか、とか

人物がすべてのコマで同じ方向を向いていないか、とか

バストアップの構図ばかりになっていないか、とか

効果的に背景を入れているとか・・・等など

例を挙げたらきりがない。

だが最近は、作画のデジタル化で今までの

紙原稿での慣行というか仕来りみたいなものがどんどん不要となり

それが形骸化され長く描き続けている作家や

その漫画を読んでいた世代が置いてきぼりを食らっている気がして

ならない。

だってブログとかで漫画を見るのだってPCならスクロールして読むし

スマホやモバイルならフリックしたりスワイプしたりして見るので

見開きなんて全く意味がない。

偶数ページが右で奇数ページが左で・・・なんてデジタルには

あまり必要とされていない。きっと最近の若者にこんな事説明しても

わからないだろう。

以前編集から聞いた話だが

今どきの若い作家のひとりが、サイン会の際、ペンタブに慣れ過ぎて

ペンで人物の書き方がわからなかったという逸話まである。

そして最近富に言われているのが、背景を描かない作家が多いという。

背景はアナログで描いてスキャナーで取り込んで仕上げる作家はいいが

全てデジタルで作画し背景もパースを取ってCADのような作業で

背景を入れていくのは締め切りに常に追われている作家には、

なかなか骨の折れる作業だろう。

デジタルでの作画は紙媒体よりも作業が細かく

小さい絵も大きくして描いたりと案外時間と労力を取られる。

となると必然的に背景がおざなりになるのはわかる気がする。


が、たかが背景、されど背景。

人物が今どこにいるとか、どこから出て来たとか、どこに向かっているとか

場面の説明には必要だし、時に効果的な役割も果たしてくれる。



・・・一人の青年が長年住み慣れた故郷を離れ都会に就職する。

実家を後にし母が見守る中、駅に向かい

住宅街の緩い坂を昔を懐かしみゆっくりゆっくり上りながら歩いていく。

希望と不安を胸に別れを惜しむよう後ろを振り返った時

(はい!バーンと見開きで)

坂の下の住宅街見渡す・・・とか、全部のコマに背景が入っていても

うるさくない。

もうロングの構図で絵の上手いアシスタントにお願いして

是非描いてもらいたい。



自分も背景を描くのは好きだ。昔はホントに描きこみが激しかった。

時間があれば出来るだけ描きこみたい派だ。

しかし一人で作画し、しかも毎回締め切りギリギリでは

なかなか難しいのが現状。

更には今後、作画をデジタルに移行するか否か非常に悩ましい・・・

こやす




CLIP STUDIO PAINT PRO
セルシス
2012-07-06


















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