こやすのうつぼの思う壺

今日一日の自己満足を綴るブログ

カテゴリ: 漫画の描き方

若い頃、編集者に

『漫画は見開き単位で見ろ』とよく言われた。

ページをパッと開いた時の絵やコマのバランス。

例えば、単調なコマ割りになっていないか、とか

かと言って斜め線のコマばかりになっていないか、とか

人物がすべてのコマで同じ方向を向いていないか、とか

バストアップの構図ばかりになっていないか、とか

効果的に背景を入れているとか・・・等など

例を挙げたらきりがない。

だが最近は、作画のデジタル化で今までの

紙原稿での慣行というか仕来りみたいなものがどんどん不要となり

それが形骸化され長く描き続けている作家や

その漫画を読んでいた世代が置いてきぼりを食らっている気がして

ならない。

だってブログとかで漫画を見るのだってPCならスクロールして読むし

スマホやモバイルならフリックしたりスワイプしたりして見るので

見開きなんて全く意味がない。

偶数ページが右で奇数ページが左で・・・なんてデジタルには

あまり必要とされていない。きっと最近の若者にこんな事説明しても

わからないだろう。

以前編集から聞いた話だが

今どきの若い作家のひとりが、サイン会の際、ペンタブに慣れ過ぎて

ペンで人物の書き方がわからなかったという逸話まである。

そして最近富に言われているのが、背景を描かない作家が多いという。

背景はアナログで描いてスキャナーで取り込んで仕上げる作家はいいが

全てデジタルで作画し背景もパースを取ってCADのような作業で

背景を入れていくのは締め切りに常に追われている作家には、

なかなか骨の折れる作業だろう。

デジタルでの作画は紙媒体よりも作業が細かく

小さい絵も大きくして描いたりと案外時間と労力を取られる。

となると必然的に背景がおざなりになるのはわかる気がする。


が、たかが背景、されど背景。

人物が今どこにいるとか、どこから出て来たとか、どこに向かっているとか

場面の説明には必要だし、時に効果的な役割も果たしてくれる。



・・・一人の青年が長年住み慣れた故郷を離れ都会に就職する。

実家を後にし母が見守る中、駅に向かい

住宅街の緩い坂を昔を懐かしみゆっくりゆっくり上りながら歩いていく。

希望と不安を胸に別れを惜しむよう後ろを振り返った時

(はい!バーンと見開きで)

坂の下の住宅街見渡す・・・とか、全部のコマに背景が入っていても

うるさくない。

もうロングの構図で絵の上手いアシスタントにお願いして

是非描いてもらいたい。



自分も背景を描くのは好きだ。昔はホントに描きこみが激しかった。

時間があれば出来るだけ描きこみたい派だ。

しかし一人で作画し、しかも毎回締め切りギリギリでは

なかなか難しいのが現状。

更には今後、作画をデジタルに移行するか否か非常に悩ましい・・・

こやす




CLIP STUDIO PAINT PRO
セルシス
2012-07-06


















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